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2010年の終わりに [life]

今年も残すところ後数時間。年を越したら民国100年だ。辛亥革命からもう1世紀。というか百年前はまだ清朝だったんだ。
ところで中国語文化圏の年越しはもちろん旧正月、春節を祝う方が重要で賑やかではあるが、それを「過年」と言う。台湾でもそれはそうなんだけれど、新暦の大晦日、元旦にもそれなりの過ごし方があるみたい。101ビルの花火は有名だし、とくに若い世代はパーティーを開いたりしている。
それで、日本のような正月気分という感じにはいかないものの、ここ最近こういう挨拶が普通になる。

「你跨年怎麽跨?(新年はどうやって迎えるの?)」

つまり新暦の正月を迎えることを「跨年」と言って「過年」と区別しているのだ。
こういう新しいことを学ぶたびに、生活こそが学習であると嬉しくなるのである。

陰翳礼讃.jpgさて、11月から12月にかけてざっと振り返っておきたい。
11月13日はなんといっても、王盛弘との対談である。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』について語り合ったのだが、谷崎の専門家でもない僕は斜めからしか語ることが出来ない。『陰翳礼讃』のなかで谷崎は、陰翳の美としての「能楽」や、それと「歌舞伎」の美との違いなどに言及している。これに絡めて、日本演劇における「陰翳の美」について語ってみた。僕が注目したのは、昭和8年に書かれた『陰翳礼讃』が昭和50年以降文庫化され読み継がれ続けているという事実である。文庫化と同時代の70年代は、その少し前の60年代と合わせて、所謂前衛的な小劇場運動が活発化した年代である。寺山や唐や佐藤信や鈴木忠志は、それぞれのやり方で「近代」としての「新劇」を否定する。「新劇」はそもそも前近代の演劇(歌舞伎)を否定したのだから、「新劇」の否定は、「前近代」の否定の否定、つまり一回りした肯定ということだ。じじつ、小劇場運動の担い手たちは、見世物の復権、神社の小屋掛け舞台、古武道と能楽などを巧みに融合させた身体訓練法など、違うルートで同じ山頂を目指すという活動を繰り広げたのである。しかも、彼らの芝居に共通しているのは、その空間の暗さである。小さくて暗い空間は近代的な光を避けるように、しかしじゅうぶん光に対抗できるエネルギーを発しながら存在したのである。鈴木忠志について言えば、谷崎との縁浅からぬものがある。たとえば、利賀村の利賀山房は、谷崎の『陰翳礼讃』に影響を受けたと自ら語る磯崎新の設計によるものだし、鈴木は利賀山房について闇の瀰漫した空間だと認識する。また後に鈴木は『別冊谷崎潤一郎』という芝居を創り、例のテクストをコラージュする方法で谷崎作品に取り組んでもいる。「近代」に対する谷崎的な内省の視点は、地下水脈のように現在につながっているのである。

12月3日には台湾人研究者のHLと彼の車で嘉義の中正大学に遊びに行き、中正の先生方と鵞鳥の肉で酒を酌み交わした。翌日は新港と北港の媽祖廟へ行き、都会とは流れ方の違う時間を楽しんだ。二日目の夜、僕はHLと先生たちと別れ、嘉義から高雄まで行き、友人を訪ねた。久々の高雄では何をしたというのではないが、二泊させてもらって南部の空気をたくさん吸い込むことができた。

新港廟.jpg12月10日から12日は台中で友人と会い、逢甲夜市、東海書苑、国立美術館などを巡り、古本の収穫もあった。逢甲夜市の一新素食で売っている臭豆腐の味は忘れられない。たぶん今まで食べた臭豆腐で一番美味い。低温と高温、二つの鍋で丁寧に揚げるのがコツらしい。

12月28日は同業のみんちりご夫妻と一緒に北海岸は三芝へ。三芝の孔子を祀る古い廟(智成堂)と李天禄偶戯文物館を観た後、テレビでも有名なチーズケーキのお店「三芝小豬」へ。友人でもあるご主人にごちそうになって(一番好きなのは青りんごとシナモンのチーズケーキ)、さらに車で貝殻廟、十八王公廟などを案内してもらい最後は淡水駅まで送ってもらった。ただただ感謝。

昨夜(12月30日)は、気のおけない友人の研究者たちと火鍋を囲み、手作りの蓮霧酒で楽しい一夜を過ごした。飲み過ぎて体調が悪くなるまで…。

そして静かな大晦日の午後である。今夜はおそらく西門町の紅楼で友人たちとカウントダウンの花火を眺めながら年を「跨」いでいるはずである。

タグ:台湾 文学 演劇
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注意? [life]

中央研究院のなかの風景です。

「落葉小心(落ち葉に注意)」? 

数理大道2.jpg

数理大道.jpg


















ああ、椰子の葉が落ちてくるから気をつけなさいということですね。
でもまだ落ち葉で怪我をした人を目撃していません(笑)


タグ:台湾
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美食ウィーク [life]

nonglai2.jpg5月2-4日
はじめての日本からのお客様、みんこ姐とちりん兄の訪台でやっと(笑)まともな食事をいただきました。2日の晩は国家戯劇院で京劇を観るため、杭州路の小籠包を。安いし美味しいのでとても賑わっていました。3日の晩は大隠酒食で庶民の味を楽しみ、4日の晩は台北儂来餐廳の少し豪勢な台菜で紹興酒をいただきました。カラスミのチャーハンは美味です。

みんこ姐、ちりん兄、本当にありがとうございました。

●杭州小籠湯包→http://0223931757.tw.tranews.com/
●大隠酒食→http://0223435355.tw.tranews.com/
●台北儂来餐廳→http://0225050891.tw.tranews.com/

5月5日
朝、台北駅のバスターミナルから新竹へ。先日知り合った交通大の院生Bが清華大や交通大を案内してくれるというので会いに行った。
台北からバスでちょうど1時間半。曇り空だがものすごく蒸し暑くて参ってしまう。
xinzhu-niuroumian.jpg
まず美味しいという評判の牛肉麺の店へ。スープは深い味わいなのにまったくの透明。麺も手打ちらしくとても弾力がある。
その後まず清華大のキャンパスを歩き、実はつながっている交通大のキャンパスへ。大学のキャンパスはやっぱり青春で満ち溢れているなあ… 当たり前だけど中央研究院とは違うね。最後にこれまた美味しいという豆花の店でスイーツを食べ、またバスで台北へと戻った。

台北では久々にh*oursへ。偶然クッキーと会って、安西冬衛、本橋哲也、菅聡子について語る。帰りは隣の晶晶で本とDVDを買って帰宅。

買った本、DVD
・王安憶『尋找上海』(INK)…もちろん簡体字版は日本にあるが…
・葉志偉『突然獨身』(基本書坊)
・鍾徳勝監督『愛到盡 End of Love』(2008、香港)

タグ:LGBT 料理 台湾
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笑到涙了嗎? [life]

台北の寒さもひと段落。現在気温は29.2度。でもまた週末少し気温が下がるみたい。

hailing50-s.jpg4月16日
夕方、誠品敦南店で雲門舞集「春鬥」のチケットを買ってから、城市舞台へ。はじめて台湾豫劇を観にいく。台湾豫劇界の第一人者、王海玲の舞台生活五十周年を記念して「海玲50」と名付けられた3日公演の初日である。この日の演目はまったくの新編もの「梆子姑娘」で、記者役の劉建華(海玲の実の娘でもある)が稽古場に王海玲を訪ね、その半生をインタビューしていくというもの。もう完全に伝統劇とはいえないが、王海玲の人となりや台湾豫劇の歴史を振り返るという意味では非常に面白かった。8歳で舞台に立ってもう60歳になんなんとする彼女の芝居を観て、真っ先に思い浮かんだのは、藤山直美である。松竹新喜劇のあの人情ものの喜劇の涙と笑いに通じるものを感じたのだ。ちょっと強めの毒気は、上沼恵美子にも似ているかもしれない。翌日の「抬花轎」(喜劇)、「王魁負桂英」(悲劇)ともに良かったが(舞台における彼女の場の支配力というかコントロールする能力が突出している。彼女がミスをしようが彼女の存在があってはじめて空間が安定する、といったらいいだろうか)、どちらかというと涙が出るほど笑ってしまった「抬花轎」のほうが王海玲の良さが充分に発揮されていると僕は思う。

王海玲は高雄左営に生まれ、眷村で育った。大陸の河南の訛りもそこで覚えたのだという。大陸は河南省から渡ってきた豫劇が、眷村の少女のなかで花開いたのである。眷村という場の哀しみが彼女の身体に溶け込んでいるからこそ、単なるおかしさだけではない笑いを生み出すことが可能になったのだろう。

芝居の後は、久々にYLと落ち合って中山駅近くのゲイバーを2軒はしご。今回台湾に来てはじめて3時まで呑んだ。タクシーは深夜料金込みで340元。やっぱり遠いなあ。

●「海玲50」公式サイト→http://bangzi.pixnet.net/blog

s-CIMG2224.jpg4月17日
呑みすぎで気持ちが悪く、昼の12時にようやく起床。でも今日は、市立美術館で張才についての講演会を聞きに行かなくてはならない。なんとか開始時刻の14:30には間に合った。会場は美術館の地階、図書室の一隅である。図書室の存在すら知らなかったが、開架式で本を探しやすい環境である。美術関係の本を探すならここが便利かも。講演者の簡永彬氏がそもそもカメラマンであり撮影文化についても研究しているということなので、肝心の台湾新劇との関連にはあまり触れられなかった。しかし、張才の作品を二枚ずつ取り出して撮影者、被写体の眼差しの交錯を丁寧に解読していくという内容には感銘を受ける。話を聞き終わるころにようやく体調も回復。その後、城市舞台の「海玲50」の二日目へ。
あまりにも興奮して、芝居がはねた後のサイン会にも参加。どうやら彼女の戯迷になってしまったようだ。

s-CIMG2222.jpgs-CIMG2220.jpg4月18日
「海玲50」の最終日。この日は昼芝居で14:30に開始。軽く焼き餃子を食べてから会場へ。芝居の後は、城市舞台のすぐそばの中崙市場(このくらいの規模だと夜市とはいわないらしい)で長い歴史を持つという巧味亭というお寿司の屋台へ。握りの盛り合わせは6貫で120元。安いし、思った以上に美味しかった。しかしなぜ酒がない!分かってはいるけど、酒が恋しいのです。またここに芝居を観にきたら寄りたいですね。

4月19日
朝から日本の勤務先に提出する書類作成で慌しくすごす。それに史語所から日本の神楽について話せといわれていた件、年内という話だったのが、7月に早まった。その関係で史語所の助手さんが僕の部屋に来たり電話を何度かかけあったり… お昼になって少し落ち着いたので、同室のポスドクK氏と日本への郵便物をもって院内の郵便局へ。その後中研新村でお昼を食べる。魚のフライ定食(75元)。
前の晩にgaloopで先日買ったパーカーの袖に穴が空いていることに気づいたので(なぜ10日も経ってようやく気づく?)、夕方にお店へ持参。もう返品はできないので、きっちり直してもらうことに。台湾ってこういうところも割としっかりしているからありがたい。まあ最初から不良品を作るなよということではあるが…

●史語所のプロジェクトはこれです→http://proj3.sinica.edu.tw/~eaart/
タグ:台湾 料理 演劇
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寒くて、寒くて… [life]

4月12日
今日は一日研究室で過ごす。合間に、文哲所図書館、近史所図書館へ。近史所で本を1冊借りる。貸出期間は3カ月とじゅうぶんな長さ。夕方、バスで南京路敦化路まで行き、宜家(IKEA)で買い物。赤い壁時計を購入。帰りは捷運で昆陽まで出て、おひとり様の鍋を食べる(150元)。野菜たっぷりで、パックの飲み物付き、おばさんがやたらとスープを足してくれる。寒いので鍋が美味しいなあ。バスに乗る前に鮮芋仙花豆(ベニバナインゲン)豆花を食べる。花豆豆花って、別に回文じゃないですよ(笑)。

大腸臭臭鍋.jpg柯老二エッグタルト.jpg4月13日
前日に買ったIKEAの壁時計が動かないことに気づく。そこで午後またお店に出向くことに。サービスカウンターの男の子はものすごく対応が良くて、全く同じものの新品と取り換えてくれた。もちろんそれがきちんと動くかどうかも確かめたうえで。かなり気分がよくなって、となりのニトリでまた少し買い物。帰りは昆陽駅の三媽臭臭鍋で夕食。連夜の鍋。それくらい寒いんです。食べたのは看板の「大腸臭臭鍋」。名前はすごいですが、つまり臭豆腐とモツの鍋ということです。臭豆腐はそんなに臭くなく、むしろちょっと残念。全体としては上出来の味。ご飯がついて100元。でもやっぱりお酒を頼めないのはいかんともしがたく、帰りにコンビニでオーストラリアワインを購入(ハーフボトル、199元)。それからLXHがおススメの柯老二のエッグタルトを購入。ワインと一緒に食べるわけじゃないけど… しかしこのエッグタルト、めっちゃ美味いです(プレーン、コーヒー、メープルの三つの味。メープルのみ28元、あとは25元)。


4月14日
今日はほぼ一日研究室にこもる。午前中に少し近代史研究所のLL先生を訪ね、上海図書館で購入したマイクロフィルムについてあれこれ話す。その中で8月に行われる小報のシンポで演劇関係の報告について評論するよう正式に依頼を受けた。その後、ちょっとした雑用で、LL先生の助手さんが僕の研究室に二度も足を運ぶことに。助手さん、ありがとう。お昼は胡適国小のそばの店で蜜汁叉焼飯(75元)を食べるが、チャーシューがちょっとぱさぱさしていて全然「蜜汁」な感じではない。夕方、台北駅まで捷運で出て、トマト味の鉄板焼きそばのようなものを食べ(100元)、二週間ぶりのマッサージを受けてから、佳佳唱片でDVDを三本買う。

買ったDVD
・楊徳昌監督『恐怖分子』(1986)…『一頁台北』を観て、見直す必要を感じたため
・李啓源監督『乱青春』(2009)
・鄭芬芬監督『聴説』(2009)

三マ研究院路店.jpg4月15日
ずっと寒い日続きだったが、今日ほど寒い日はない。一日中部屋で読書をし、昼食は中研院のコーヒーショップでムール貝のオーブン焼きセット(160元)を食べる。その後、同じ建物の中にある四分渓書店をちょっと覗いてみた。唐山出版社の本などおもしろそうなラインナップ。当然、中研院で出している本はずらりと並んでいる。夕方寒さに耐えられなくなり、カルフールに暖房機を買いに行ったが、そんなものは売ってはおらず…(泣) 仕方なく帰りにまた三媽臭臭鍋(この日は研究院路店)でキムチ鍋(同じく100元)を食べる。鍋でも食べなきゃやってられない寒さなのだ。部屋に戻る途中で、活動中心に暖房機を借りることを思いつく。尋ねてみたらドイツ製のオイルヒーターをただで貸してくれた。「でも電気代は自分で払うのよ、これすごく電気食うからね」と。まあこの一両日のことだから心配することはないと思うけど… 宿舎のエレベーターで上の階に住む中国語のできない欧米系のおじいさん(もちろんえらい先生だろうなあ)が、「ぼうや、明日にはホットになるのに…」とつぶやきグッナイと笑顔で階上にあがっていった…

タグ:台湾 料理
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象さんとかたつむり [life]

京站地下興葉.jpg4月9日
午後から研究室に行き、1日以来会っていなかったポスドクのXHL君と再会。明清文学を研究しているという。ドクターはコロンビア大で取っている。僕が滞在している間はまだここにいるらしいのでこれから何かとお世話になりそうだ。11日から広島と福岡に野球観戦にいくという大の棒球迷。
夕方に台北駅の京站威秀に行き、映画『一頁台北』を観た。同じ建物の地下のフードコートで蚵仔煎セット(カキのお好み焼き、130元)と焼仙草(50元)の夕食。映画はとても可愛らしくてよかった(詳細は後日にまた)。そしてほぼ満席だったのには驚き。

象とかたつむり.jpg4月10日
午前中は洗濯をして、お昼に昆陽駅の吉野家で味噌汁と双寶飯(鶏の照り焼きと牛丼の具が半々、155元)を食べてから、忠孝敦化駅まで出る。お気に入りの服屋、galoopに行くと、西門町でいつも僕の相手をしてくれるお姉さんがいてお互いにびっくり。偶然、敦化店を手伝いに来ていたみたい。可愛いパーカーと長袖のTシャツ、靴下を買う(2670元)。その後、誠品敦南の文具店で象さんの巻尺を購入。可愛いすぎる!
ぶらぶら忠孝復興のそごうまで歩き、その中の洋菓子屋さんでお菓子を買って、親戚のいる内湖へ。久しぶりだったがみんな元気そう。観音様とおじさんの家系、おばさんの家系に対してまず焼香をして、公館夜市のそばのベトナム料理店で夕食、龍潭豆花で美味しい豆花を食べ、五分埔の服専門の夜市で買い物。僕より5歳年下の親戚が女の子のいる飲み屋に僕をどうしても連れて行きたかったようだけど、ごめん、と断る。ちょっと悪いことをしたかな。

胡思士林.jpg4月11日
お昼過ぎに前からどうしても行きたかった胡思二手書店の士林店に行く。文学は結構多く取りそろえているが、それほどめぼしいものはなかった。1冊だけ購入。コーヒーも飲めるのでこのあたりに来たらちょっと寄りたい店になりそう。
その後、円山の市立美術館へ。これもどうしても観たかった、写真家・張才の回顧展。台湾に生まれ、新劇に接触し、日本で撮影技術を学び、40年代の上海を目睹し、台湾に戻って以降は原住民、歌仔戯の楽屋、廟に集う人々などどちらかというと社会の底辺にいる人々を撮り続けてきた人。僕にはとりわけ上海の写真が新鮮だった。17日に関連する講演会もあるようだから聞きに来よう。上海や演劇との関係からも色々調べてみる価値がある人だと感じる。

台北市立美術館.jpg夕方、台湾大のクッキーと待ち合わせて、晶晶でゲイ仲間と一緒にボードゲームを楽しむ。友達の輪が広がってとてもうれしい。

買った本
・阮慶岳『哭泣哭泣城』(聯合文学)
・『張才』(展示目録、台北市立美術館)

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昆陽で呑める店 [life]

昆陽駅そばの店.jpg今日は久々に太陽が顔を出した。いい加減、雨模様にはうんざりしていたので少しほっとする。

4月6日
朝、食堂でLZH先生と会い、その後研究室にお邪魔する。史語所の研究会で日本の神楽について紹介して欲しいと言われ、早速東京に連絡、よさそうな映像を送ってもらうことにした。でもちょっと勉強しなおさなければならないから、本も取り寄せないとだめかな。
雨降りで寒いので、夜は台北駅近くの賽門甜不辣でおひとり様の鍋を。ここのテンプラはもちもちしていて結構美味しい。西門町に本店があるんだって。
(たぶん、http://www.simon.tw/  に行ったと思うけど、http://www.simonfood.com.tw/front/bin/home.phtml  というのもある)

4月7日
お昼はLLL先生と近史所で待ち合わせ。同じ近史所で城市史研究群の3人の先生も一緒に近くのとんかつ屋さんで食事。それぞれ上海と蘇州がご専門らしい。冗談話が好きな先生方で笑いが絶えない。城市史研究群の人たちはなんでこんなに可愛いのかな(笑)。
8月に近史所で小報に関するシンポがあるそうで、興味津々。必ず参加します。
その後、はじめて中研院から台湾大へのシャトルバス(無料)に乗ってみる。高速を通るので20分ちょっとで到着。便利だなあ。ただ本数は少ないけどね。茉莉二手書店で本を少し見たあと、h*oursでお茶しながらKFを待つ。3時間以上も待たされてようやく到着。まあ勉強会だったらしいからしょうがない。師大路夜市で滷味を食べてから、映画『艋舺MONGA』の舞台になった龍山寺、華西街夜市辺りを散策。博打に興じるおじさんとか商売のおねえさん(あきらかにそういう風情でしかも年季の入った…)がそぞろ歩いている。大阪の飛田新地とか新世界に感じが似てるのかな。台北のもうひとつの顔なんだね。

4月8日
10時から中研院に短期滞在している台湾師範大の先生の研究報告。「旅遊巡視的再現―巡台御史的治理論述及采風想像」。人類学で言う観光学なども参考しつつ文学研究を立体的に深めていこうとしていると理解しました。ところで「旅遊書写=Travel Writing」という概念は面白そうだね。それにしてもWAL、HXZ両先生の指摘は鋭いなあ。僕もいずれは矢面に立たされるわけなんだけども…
お昼は中研院の中餐庁で食事。セルフサービスの食堂はともかく、この中餐庁は意外にも美味だった。日本からの客人を連れてきても大丈夫そうだな。
昼食後、研究室に戻り、日本人のポスドクKさんとおしゃべり。夕方になってから、映画『一頁台北』を見に行こうと思い立ち、急いで昆陽までバスで出て軽く夕食を済ませ、台北駅の北側の新しいバスターミナルビルにできた京站威秀に着いたはいいが、チケットは売り切れ。急いできたのに… 次の回は夜0時過ぎになるのであきらめる。その後、中山駅から306バスに乗って、環亜商圏(南京路敦化路)へ。IKEAとニトリで日用品を買う。カルフールとそれほど値段は変わらないけどデザインも質もこっちのほうがいいなあ。最初からここにくるべきだった…
帰宅途中の昆陽駅でもうちょっと何か食べたいな、しかもちょっと呑みたいな、と思ったけど、案の定酒を提供してくれる店はほとんどない。ちょっと裏の路地に入って、やっとメニューにビールがある店を発見。ビール(金牌の瓶、70元)が欲しいというとおばさんに変な顔をされたけど、ここは譲らずにビールを注文。油豆腐(厚揚げ、20元)、鯊魚煙(燻したサメ肉、60元)、蚵仔酥(牡蠣のさくさく揚げ、100元)を肴に頼む。サメ肉ははじめて食べたけど、柔らかくて臭みも無く美味。牡蠣はもう言うことは無い。ビールに合うなあ。みんなチャーハンや麺をテイクアウトで買っていくなか、僕だけ黙々とビールとおつまみを食べる。ちょっと勇気が要るけど、ビールを出してくれるところは貴重だからこれから通うことにしよう。もうおばさんに変な顔はされないだろう。

タグ:料理 台湾
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伝説の明星へ [life]

明星2.jpg昨日は清明節。お墓参りの日なので親戚を訪ねたかったが、昼ごろに携帯メールがあってちょうど彰化の娘家から台北に戻ってきたところ、とのこと。ちょっと午後訪ねても夜は芝居だし、慌ただしいので次の週末に会うことにした。

お昼ごろに宿舎を出て、昆陽の携帯ショップでついに新しいノキア(3500元)を買い、「鬍鬚張」で鶏肉飯と豆芽菜(もやし)と魯蛋(煮玉子)と菜頭湯を食べる(112元)。その後、台北駅の誠品でガイドブックを立ち読みして、前から行きたかった明星珈琲店に行く。

明星1.jpg貴族出身でロシア皇帝ツァーの近衛隊指揮官Elsneが、1917年のロシア革命の難を逃れてたどり着いた上海に「明星珈琲館」を作ったのがその起源である。後に彼は国民政府の遷台とともに台湾に渡り、当時建国中学の卒業生だった18歳の簡錦錐氏とともにパン屋とその二階に台北の「明星珈琲館」を復活させたのだという。その後60年前後から文学者や芸術家が集うサロンとなり、さまざまな文学作品を生みだす舞台となっていった…。

喫茶店である2階にあがると、年代物のテーブルやチェアが並んでいる。僕は2階の隅の席に腰かけたが、どうやら3階もあるようだ。年齢層がやや高いような気もするが、いまや観光地となってもいるらしく、文学サロンという厳かな空気はあまり感じられない。明星珈琲(180元)にスイスチョコレートケーキ(40元)をつけてみた。コーヒーはまあまあ美味しく、ケーキはなんというか懐かしい味わい。笑顔のほとんどない店員は、しかしてきぱきとはしている。会計の時、10%のサービス料を取られたのには驚いた。次は食事をしてみたいなあと思う。

明星に行く前に、重慶路の三民書局を軽く覗いてみる。簡体字本コーナーがかなりスペースを取ってできていたが、値段は人民元価格×4.8。問津堂(×4.2)がいかに安いかを思い知る。

戯劇院.jpg夜は中山記念堂駅のそばの怡客カフェで、白身魚のソテー・トマトソースのセットを食べる(198元)。食後は歩いて国家戯劇院へ。実は初めて。入ると誠品の支店があり、時間つぶしにはもってこい。上海崑劇団の『長生殿』は、第四本「月宮重円」。唐明皇の蔡正仁が最初大丈夫かと思うほど辛そうなうたい方だったが、徐々に落ち着いてきてほっとする。それに比べると李亀年の計鎮華のほうが良かったなあ。ただし舞台全体の印象はあんまり…。特に照明をいじりすぎていて苦笑してしまうほどだった。でもまあ上海崑劇団だから仕方ないか…。

●明星珈琲館 http://www.astoria.com.tw/
●上海崑劇団『長生殿』台湾公演 http://blog.yam.com/newaspect/article/26663527

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阿才的店と老樹と [life]

八方雲集.jpg昨日は調子の悪い携帯を新しくしようと思い、何人かの友達にどこで買うべきかをアドバイスを受けたものの、気に入った電話機とその値段が折り合わず、購入はとりあえず先延ばしにすることに。

昼は昆陽までバスで行き、そこの八方雲集で焼き餃子、酸辣湯、豆乳をいただく(85元)。その後、誠品敦南店で崑曲『長生殿』のチケットを買い(1000元)、駅前のMUJIで買い物した後、晶晶書庫に行って1冊本を買った。それから隣のh*oursでカプチーノを飲みながら読書をし、大陸書の専門店である門津堂へ移動。普通に買えば、人民元の値段×4.2が売値だそうで、計算してみると大陸で買うのとそれほど変わらない。会員(1000元以上購入)になれば×3.5になるそうで、1000元目指してスタンプカードを埋めていくことにした。とりあえず2冊購入。「破報」も一部もらう。

その後、台電大楼の駅前のバス停から606番に乗って、仁愛路二段へ。

阿才.jpg神戸大のO君とTHYと待ち合わせた阿才的店に到着。「喝酒専科」とあるだけに酒が進む佳肴がいっぱい。油条とカキの炒め物、阿才豆腐、牛三寶、サツマイモの葉の炒め物などなど。白先勇の作品、眷村の現在、台湾人アイデンティティ、LGBTなど話題は多岐に及ぶ。O君とTHYはほんとうに文学青年という名が似合うなあ…。
隣に座った社会運動を撮り続けてきたカメラマン、日本語の達者な76歳の林先生からたくさんビールをごちそうになる。酔っ払った台湾人を久々に見たような(笑)

したたかに酔っ払って店を出て、近くの「老樹」という喫茶店でコーヒーを飲み、忠孝新生駅で二人と別れたあと地下鉄で帰宅。3月31日以来の酔っ払った夜になった。

買った本
・徐嘉澤『門内的父親』(九歌出版)
・葛飛『戯劇、革命與都市漩渦 1930年代左翼劇運、劇人在上海』(北京大学出版)
・傅謹『戯班』(北京大学出版)
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台北你好 [life]

ついに台北にやってきた。

もう今日で4日目。これまでのことをメモ書き風にまとめておこう。

113食事.jpg4月1日 曇り
広島は雨。ホテルを朝6時にチェックアウトして、リムジンバスで空港へ。気になっていた託送荷物の重さは、33kgほど。ビジネスは30kgまでだがカウンターでは何の問題もなかった。エコノミーだと20kgまでなので、ちょっとひやっとする。出国審査の後、はじめてビジネス用のラウンジを使ってみる(飲み物やお菓子が食べ放題なだけ)。飛行機は満席で、8席しかないビジネス席もいっぱい。和食か洋食を選び、さらにそれぞれのメインを一種選べるというスタイル。ワインは10種類くらいあったかな。薦められるままに05年の奇揚提(キャンティ)を飲む。美味しい。
桃園空港には予約しておいた車が待っていて、普通の黄色いタクシーかと思ったらベンツだった。この日の台北は30度まで気温が上がり、もう夏、といった感じ。中央研究院が僕の代わりに予約しておいてくれたためか、運転手氏は何か話しだすたびに「チャオショウ(教授)」と頭に置くのがたまらなく気持ち悪い。

中央研究院の宿舎は6階建ての赤煉瓦(風)の建物の3階で、ちょっと古いがなかなかいいところ。玄関のある建物の内側は中庭に面していて、いまちょうどカフェを建設中である。その向こうには深い緑の山が控える。部屋は客間と寝室に分かれていて、冷蔵庫、テレビ、エアコン、家具などが揃っているが、ガス台はない。ネットへの接続は無料。ここに来るまではすぐに引越しようと思っていたが、結構居心地がよさそうだ。
中研院正門.jpg中研院宿舎からの眺め.jpgお昼を食堂で済ませ、文哲所に到着の挨拶へ。文哲所の建物は宿舎のすぐ隣なので通うのはとても楽である。身分証、研究室(共用で同居人はなんと日本の地元H大学の博士後氏と台湾人の博士後氏)の鍵、休日でも建物に出入りするための鍵、図書館閲覧証などの手続きをする合間に、僕を文哲所に紹介してくださったL先生にも会い、戯曲研究のWAL先生にも挨拶した。
中研院招牌飯.jpg
ここまですべてこなしてもまだ午後3時になっていない。その後、文哲所の職員さんに連れられて日用品(掃除道具、布団など)の買い物。中研院のなかのローカルな福利社というスーパーと、バスで10分ほどのところにある家楽福(カルフール)へ。
買い物が終わり、いったん宿舎に戻って整理して、それからひとりで街へ。中研院からバスに乗って一番近い地下鉄の駅(南港)に行き、そこから繁華街までだいたい30分くらい。その日は忠孝敦化駅にほど近い誠品書店で石鹸とシャンプーを購入(本ではない?月桃の入った“水潤”という石鹸と苦瓜のシャンプー)。その後、お気に入りのマッサージに電話して予約を入れてから台北駅のなかのMUJIで買い物して、その隣の牛肉麺屋街で夕食(牛大享)。マッサージは夜11時前に終了し、また地下鉄で南港まで戻り、そこからはもうタクシーで宿舎まで帰った(95元+23時過ぎの割増20元)。


小南門セット.jpg4月2日 小雨
前日とは打って変わって涼しい、というか寒い。20度そこそこの気温だと思う。この日は朝寝坊して、お昼に中研院での食事(リブステーキとコーヒーのセット,200元)を挟んでひたすら部屋の掃除。足りない掃除道具は福利社に買いに行く。部屋は汚くはないが、しばらく人が住んでいなかったようなので全体に掃き掃除をしてからモップや雑巾で水ぶき。ゴキブリなどの虫対策も重要。まあそれほど気にはならない、というか気にしていたら南国暮らしは無理だろう。掃除がほぼ終わったところで神戸大院卒で文哲所の博士後になっているTHYから電話。一緒にコーヒーを飲みに行く。彼女の研究室は僕の研究室の真下だった。その後、事務所で図書館カードをもらい、文哲所のなかの僕用のメールボックスが準備されたことを確認してからまた家楽福に買い物へ。DVDプレーヤーやドライヤーなどを購入。すぐにDVDプレーヤーを試したいので、市政府駅の誠品書店でDVDを2本買う(『無野之城』と『帯我去遠方』)。夕食はその地下にあるフードコートで魯肉飯セット(小南門伝統美食、140元)を食べる。その間に台湾大のLKFと編集者のYZから電話。後日会うことを約束。早めに帰宅する。中研院に着いたところで同じような研究をしているCG大学のLXHからも電話。翌日の約束についての確認。お昼を一緒にすることに。部屋でDVDを見ようと思ったがちょっと疲れが出たようで、すぐに就寝。


4月3日 小雨
この日も気温は上がらない。朝は早く起きて、すぐにDVDを観る。DVDを観ながら宿舎の地階にある共用の洗濯機で洗濯しようと思ったが、土曜の朝だけあって先客でいっぱい。観たDVDは『帯我去遠方』で昨年の台湾映画。いとこ同士の少女と少年の物語。ふたりはそれぞれ人とは違うところ(色盲とゲイ)があって苦悩も抱えているわけだけれど、映画そのものはなんというかものすごく可愛らしい色であふれている。ほんわかと心の中が暖かくなるような作品。少女も可愛いけど、林柏宏が可愛すぎる。「人にはみんなそれぞれ他の人とは違うところがあるんだよ、だってみんな同じだったらこの世の中つまらなくなっちゃうだろ」というセリフもいい。疲れているからかわからないけど、朝から涙が溢れて止まらない。その後、親戚に連絡して5日の清明節かそれ以降に会うことを約束。
11:30に地下鉄の南京東路駅でLXHと待ち合わせ。すぐ隣の兄弟大飯店梅花庁で広東飲茶の昼食。LXHが最近付き合い始めたというバツイチのパン屋さんの話を聞かされる。ちょっとした映画のような話。微笑ましいような、羨ましいような…。その後地下鉄とバスを乗り継いで師範大学そばの古本屋「舊香居」へ。とくにめぼしい本はなかったが、女主人と久々に話をしてみる。LXHとはそこで分かれて帰宅。中研新村あたりでバスを降りて、適当にそのへんの弁当やで弁当を買い、部屋で夕食をとる(兄弟飯店の飲茶の残りもいっしょに)。夕食をとりながら、洗濯のリベンジ。タンブラーで乾燥した後、いくつかの服が“タンブラー乾燥禁止”となっているのに気付く。乾燥機に慣れてないんだなあ。

タグ:映画 料理 台湾
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