天然パーマは直せるか？

－報告做什麽？
（レポート何する？）
－自然捲啊，看可不可以把它根除
（天然パーマさ、根治できるかどうかってこと）
－不可能吧。那不是基因問題嗎？
（無理だろ。それって遺伝だろ？）
－管他的，就試試看啊。
（知るかよ。試してみるさ）
－這麽討厭你的頭髮喔。我覺得還蠻酷的啊。
（そんなに自分の髪が嫌なのか。おれはなかなかイケてると思うぜ）
－又不是你的頭髮，你當然可以說得那麽輕鬆。
（お前の髪じゃねえだろ。だからそんなに気楽なことが言えんだよ。）

短編映画『少年不戴花～花を掛けない少年～』の１シーン。男子高校生の黄士寛は小さいころから天然パーマが嫌だった。ストレートパーマにするために毎日のようにアイロンを髪にあてている。雨の日、士寛の髪がぬれて少し跳ね上がり、親友の陳誠に天然パーマがばれてしまう。自分の本来の姿を受け入れられず、天然パーマを根治したいと願うのは、思春期に同性を好きになり、そういう自分を受け入れられず悩む姿とも重なる。じじつ、士寛は誠への曖昧な感情とも真正面から向き合えずにもがく。まるで水の中で溺れるより息苦しい毎日なのだ。

「ストレートパーマ」とは、自分のセクシュアリティ（＝天然パーマ）を覆い隠すために「異性愛（straight）」を演じることそのものを指している。でも無意識かもしれない誠の、「おれはなかなかイケてると思うぜ」というセリフは、確かにちょっといかしてる。士寛は強がって言い返すけれど、自分を受け入れられそうな可能性を仄かに感じさせるから。なんだか少し心が温かくなるようなシーンだね。

この映画は、台中にある朝陽科技大学の学生による卒業制作作品だそう。公式ブログでYouTube上の作品が視聴できるようになっているのでご覧あれ。自主制作映画を尊重するためにダウンロードは控えるようにと注意書きがあります。ガンバレ！台湾自主映画！

ブログには予告編のみあげておきます。



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●本編の観賞はこちらから→http://blog.yam.com/LVFILM/article/23664908

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